マイニングのせいか円安のせいかは解らないが、2017年中旬くらいから高騰していたPCパーツが、最近やっと値下がりしてきた。
これはチャンス到来。PCのアップグレードをしよう・・・と思ったら、インテルのCPUが、かつて無いほど爆値上げしていた・・・
AMDのCPUをメインにアップグレードを考える。
PCのグレードを決める
PCは上を見るとキリがない。ドンドン高価になってしまう。個人利用をメインとし、考えたパターンは2つ。
パターンA とにかくコスト重視
事務作業が余裕でできるPC。つまりサブマシンを入れ替える案。
軽いゲームが動かせればなお良い。ミドルクラス以上のゲームは諦める。
パターンB ワンクラス上の作業PC
たいていの事はそれなりになんとかなるPC。つまりメインマシンを入れ替える案。
具体的にはQGIS、Inkscape、Blender あたりがそこそこ快適に動くこと。 グラボを別途用意する。
最先端ゲームは諦める(ガチゲーマー向けPVP性能は不要)。画質設定して30FPS程度以上出れば良し(参考過去記事 RX570+i7 3770だと、アサシンクリードオデッセイがフルHDの「高」設定程度までいける)。
必要なパーツを洗い出す
自作erには、買わなくても良いパーツ(流用)がある。先に除外したい。
流用するパーツの例
これが自作PCのキモであり最大の利点。
マウスとキーボード
お気に入りのヤツをそのまま使えばOK。
ケース
アップグレード前提なら以前のものが気にせずそのまま使える(BTXは別だが、そんなもん買うヤツ居ない)。
今回は部屋の隅に転がってるATX(NEC Expressサーバ)ケースを利用する予定(電源換装済み)。
光学ドライブ(DVD)
もはや要らないと思うが・・・必要な時だけ付ける運用(たぶん必要ない)。
OS
流用というか、とりあえずUbuntuでも入れておく。
既にパッケージ版を持ってる人はwindows10を入れれば良いが、新規購入については現状、個人的にあまりオススメしない。
無償アップグレード版はもちろん、DSP版、OEM版は購入者ではなくハードウェアにライセンスが付いている。自作erに向けて販売されているはずのDSP版が、実は最も自作向きでは無いという罠。
パッケージ版以外はマザーを交換すると認証できない可能性がある。DSP版にアカウント紐づけは関係ない(でもまぁ・・・なんというか未だにUP出来ないことは無いので・・・そして往年の自作erほぼ全員、対象ライセンス持ってるはず、グレーっぽいが)。
従ってパッケージ版を買うしかない・・・が高いし、たとえ購入したからといっても、いつまで利用できるかはMS次第である。
個人的に自作派は、そろそろ本格的にWindowsを見限る準備をしておいた方が良いのではないか。
もはやWindowsに残されたのはゲーム(ハイエンドの)しか無いだろう。だが、Steamも徐々にLinux対応に向かっているため(公式参照)、Windowsが要らなくなる日は近い・・・ような気がしてならない(そのための措置としてUP継続してるのではないか)。
購入するパーツ
必要なパーツは以下のとおり
- CPU
- マザーボード
- メモリ
- ストレージ(SSD)
流用アップグレードの場合、これらの購入のみで完成する。
ワンクラス上を狙うと+グラフィックボードが必要(なお今回はRX570を買ったばかりなので不要)。
個別パーツのグレードを決める
BTOやメーカーPCと一緒。性能を盛る部分をどこにするか、という話。
コスト重視パターンは、グラボ無しでも動く構成を選ぶのが基本だ。
しかし、グラボの追加は予定しておく。今後、GPGPU対応ソフトが増えそうな予感がするから(重いソフトは特に)。
というより、ここ数年でそういう重い作業(ゲーム、画像&動画編集系)以外ではデスクトップPCが完全に不要になる可能性が高い。
既にネット閲覧用途なら完全にPCなどいらない時代に突入している。そういう用途なら安いタブレットかN4000あたりを搭載した小型ネットブックを買うべき。
CPUのグレード
全てに影響するため、最初に決める。
A コスト重視パターン
Athlon 200GE にする
前述のとおり、GPU統合モデルは必須。
本来、2コア4スレッド4MBキャッシュ化されたPentium(Coffee Lake)がベストと思う。だが、インテルの誤算?により供給不足に陥っているため、軒並み在庫が無い。有っても凄まじく高い。
2018年12月中旬現在、Core i3 8100以下の在庫が異様に薄い。 たまにG5400もあるが、9000円程度する。G4400あたりなら在庫はあるようだが、謎の高価格帯。
過去購入した時(2017年1月)は6200円だったが・・・保守用にしても高すぎる。
結局、コスト重視ならAthlon 200GEしか選択肢が無かった(価格が下がればAM4のAシリーズもアリ)。
7000円前後でソコソコのグラフィック性能も期待できる。在庫が多いのも魅力。初代i7並の性能はありそうなのでパワーは十分。
とにかくインテルのCPUが高すぎた。
2018年の夏くらいまでは、Pentium Gold G5400が7000円くらいだったのに・・・まぁ、代わりにメモリが超高かったが。
B ワンクラス上の作業PCパターン
Ryzen 5 2600 にする
Core i3の最上位かi5あたりにしたいところだが、ほとんど在庫が無い。そして異常に高い。Core i3 8100(4コア4スレッド6MBキャッシュ)が、16000~17000円程度で売られている。
一方、AMDは比較的在庫があるようだ。Ryzen 5 1400(4コア8スレッド10MBキャッシュ、グラボ別途必須)が16000円前後。
これではグラボを持ってる人は、絶対にCore i3 8100を買う事は無いだろう・・・
しかし、Ryzen 5 1400は中途半端感が否めないし在庫も薄い。いっその事、6コア12スレッド19MB キャッシュ (3+16)のRyzen 5 2600を買ってしまった方が良い。
実売24000円程度するが。対するCore i5-8400が30000円くらいするので・・・Core i5に3万出すというのはチョット・・・
コスト重視→ワンクラス上化もアリ
Athlon 200GE Ryzen 5 2600 共にSocket AM4だから、コスト重視のAthlon 200GEを買っておいて、値段が下がった後にアップグレードする。という考えもアリっちゃアリ。
まぁどうせ、下がる前に次世代に突入してしまうんだろうが・・・
後日談 次世代突入前に爆値下げ
Ryzen7 2700を購入 今あえて無印を選ぶ理由 など
マザーボードを検討
Socket AM4のチップセット(グレード)はいくつかある。細かい差が存在するためAMDサイトを確認、検討した結果は以下の通り。
X470
最高を求めるオーバークロッカーやヘビーユーザー向けの最も高度な最新ソケットAM4プラットフォーム・・・
AMDサイトより
これは要らない。
X370
堅牢なプラットフォームを必要とするオーバークロッカーやヘビー ユーザーのために・・・
AMDサイトより
これも要らない。
B450
柔軟性とオーバークロック制御を重視するが、マルチGPU構成で必要とされる最大PCIe®帯域幅は必要ないというパワーユーザーに最適です。・・・
AMDサイトより
オーバークロック制御は重視してない。てかマルチGPUとか絶対に要らない。電源足りないから。
B350
柔軟性とオーバークロック制御を重視するパワーユーザーに最適ですが、マルチGPU構成に必要な最大PCIe帯域幅は必要ありません。
AMDサイトより
オーバークロック制御は無くてもいい。
A320
「単に仕事をする」ためにPCを必要とするプラグ アンド プレイのユーザーには、シンプルで安定した・・・
AMDサイトより
それな。単に仕事するだけな。求めるのは安定です(どっかで聞いたことあるなこのフレーズ・・・)。
X300/A300
最小形状を評価する顧客を満足させるため・・・
AMDサイトより
もはや結論は出た。
・・・ということで、A320で十分。将来性まで考えればB350、B450ならなお良し。
チップセット選びの注意点
検討していて気づいたことが、いくつかある。
PCI EXPRESS GEN3のレーン数
Ryzenが1×16を、Aシリーズ/Athlonが1×8をもっている。つまり、マザーボード側の対応はどうでもいい。
GEN3のx8でも、GEN2のx16相当、双方向約16GByte/secは確保できる。VEGAやRTXの最上位モデルを買わない限り、不足する事にはならないだろう。
ただし、Athlon 200GEは速度とIFに制限がかかるマザーがあるので注意(それでもたぶん足りるとは思う)。
SATA ポート数
イマドキそんなにポートは要らない。複数台搭載(巨大ストレージ化)するなら、別途Sambaサーバーを構築した方が良い。
速度を求めるにしても、A320ですらx4 NVMeに対応してるため問題なし(同じくAthlon 200GEは制限されているマザーが多いようだ)。現状、SATAでも十分だと思うが。
ASRockのAB350M-HDV が第一候補
これらスペックを考慮すると、ASRockのAB350M-HDV が候補になる。
ウルトラ M.2対応でB350、SATAの配置が2方向あって良さげ。実売6500円というのも良い。
UEFI(BIOS)のAthlon 200GE対応
Athlon 200GEを購入する場合は重要。
出たばかりなので、対応していない可能性がある。CPUが認識せずBIOS画面も出なかったら終了。ボードRevの確認ができないネット通販で買う難易度は高め。
CFD
ASRockマザーボードにおけるAMD Athlon 200GE使用時の映像出力に関するお知らせ
MSI
弊社マザーボードにおける AMD ATHLON 200GE プロセッサ使用時の制約について
など。この辺を確認しながら最適解をチョイス。
メモリを検討
共にDDR4だが、最大メモリ速度が異なる。
- Athlon 200GE 2667MHz
- Ryzen 5 2600 2933MHz
2933MHz (3000MHz) 対応の8GB(4GBx2)を買いたいところだが、まだ高い。 2667MHz で我慢しておく。
現状では ADATA AD4U2666W4G19 (7000円前後)でいいんじゃなかろうか。先ほどのASRockのメモリサポート表にも載ってるし。
ストレージを検討
SSDは240GBあれば十分。最安のヤツでオッケー。
後からどうにでもなる。
合計額
以上のパーツセットを買うとこうなる。
※価格は2018年12月20日現在。
A コスト重視パターン
- CPU
AMD Athlon 200GE BOX
約7000円 - マザーボード
ASRock AB350M-HDV
約6500円(CFDサイトによれば2018/5/9のP4.80以上必須の予感) - メモリ
ADATA AD4U2666W4G19
約7000円 - SSD
KLEVV NEO N500 240GB
約4000円
合計 約24500円
B ワンランク上のパターン
- CPU
AMD Ryzen 5 2600 BOX
約23300円(グラボ追加必須) - マザーボード
ASRock AB350M-HDV
約6500円(公式によれば、
2018/3/6 のP4.70以上必須) - メモリ
ADATA AD4U2666W4G19
約7000円 - SSD
KLEVV NEO N500 240GB
約4000円 - グラボ
MSI Radeon RX 570 ARMOR 8G OC
約21000円(8pin必須 購入済)
合計 約61800円
まとめ
けっこう高い・・・参考までにドスパラの GALLERIA RH5 が約90000円 (ほぼ同スペックでグラボがGTX1050Tiになったもの+電源、ケース、マウス、キーボード付き、OS抜き )
保証などを考えたら、自作するメリット無いなコレは・・・
まぁ要するに、趣味だ・・・コスト重視パターンで、更にSSD&メモリまで流用しない限り、自作のメリットは薄い事が判明した。