そろそろ出そうなインテルグラボ、Arc Alchemist。
というか、気づいたらMシリーズ(たぶんモバイルの意味)のスペックが公式に出ていた。
https://ark.intel.com/content/www/us/en/ark/products/series/227957/intel-arc-a-series-graphics.html
ここからディスクリート版の価格を強引かつ勝手に予想してみよう。
モデル展開について(モバイル)
さっきのインテル公式を抜粋すると、現在確定しているスペックは、こうなる。
- A770M
Xe-cores 32、1.65Ghz、TGP 150W、メモリ 16GB-GDDR6-256bit - A730M
Xe-cores 24、1.1Ghz、TGP 120W、メモリ 12GB-GDDR6-192bit - A550M
Xe-cores 16、0.9Ghz、TGP 80W、メモリ 8GB-GDDR6-128bit - A370M
Xe-cores 8、1.55Ghz、TGP 50W、メモリ 4GB-GDDR6-64bit - A350M
Xe-cores 6、1.11Ghz、TGP 35W、メモリ 4GB-GDDR6-64bit
これらの高クロック版が「グラボ」に積まれるのだと、予想される(最上位がA770Mのブースト版でA780になるんじゃねーかな、たぶん)。
用語と補足
※注意 以下は個人的にネットを徘徊して調査した結果である。
- インテルグラボ
Arc Alchemist 搭載の後付グラフィックボードのこと - Arc Alchemist
インテルのGPUブランド(以前 Xe HPG DG2とか言われてたヤツ) - Mシリーズ(正式名称はわからん)
過去の法則からおそらくモバイル(ノートPC)専用 - A780
最上位とされてる型番(というかたぶんA770Mのベース) - Xe-cores
演算ユニットのクラスター単位、Ray Tracing Unitsが1対1で入ってる模様、概念的にはAMDのCUやNVIDIAのSMに近いっぽい(CUDAとは異なる) - Ray Tracing Units
ゲーム界の最新トレンドだが過去の非対応ゲームは有っても意味無し - TGP
インテル語的に何を示すのかは不明だが、おそらく消費電力のこと、最大値を転載 - メモリ容量
2022年現在、ゲームは4GB必須級。2023年以降6GB以上必須化される予感(実際に最下位でも4GB積んでる) - メモリ帯域
デカイ方が良い、ゲームはまだしもアプリ(GPGPU)は影響が大きい模様(特にマイニング)
詳しく知りたい人はインテル公式なり、Wikipediaの英語版などを見るべし。認識が間違ってたらコメント欄にでも。
インテルグラボの性能について
未発売のため、断片的な噂や海外リーク情報ベースで語るしか無い。
それらによると、エントリークラスであるARC A380はGTX1650よりちょっと高い程度だという。
でも正直、それで売れるのかなと。けっこう疑問なベンチ結果だ。さすがに、もうちょっと高いのではないか、と個人的には期待してる(最低でもRX6500XTは超えて欲しい)。
というか、さっきのスペック表を見て、TGPが60W~80WのA550Mを載せたらジャスト補助電源無しモデルになるんじゃねーの、とか思ってる。
しかしながら0.9Ghzに抑えられている事からも、このレンジがスイートスポットの可能性が高く、マーケティング的にワッパ最強ポジションの優良チップを、あえてエントリーで出す必要は無いんだろうなと。
最安モデルは、検査でハジかれた8コア動作品を電力チョイマシマシにチューニングしたブツで良くね、その方が安く提供できてWIN-WINでしょ、みたいな思想はアリだと思うし。
2Ghzチョイ、TGP 75Wで出る予想は固い
公式のスペックを見ると、A550MのTGPは60W~80Wだから、コアあたりのTGPは3.75W~5Wという事になる。
同じように計算するとA370M(35~50W)は4.375~6.25Wになる。
動作速度を引き上げた分、ワッパはかなり落ちてる模様(16~25%)。
超ざっくり計算すると消費電力は、0.65Ghzアップあたり25%増えるはずだが、最も速いA770Mは3.75W/コアに収まってるという謎。
内部構造がどうなっているのか知る由もないがこの理由は、選別された最優良チップが使われていてOC耐性が高い。とか、コア数とは関係ないコントローラ関係の消費量がけっこうあるのかも。とか、そういう要素が考えられる。
ただ一つ確実なのは、消費電力は指数関数的に増える件。
従ってXe-cores 8つだと2GHzチョイで電力50%アップ程度あたりが限界なのだろうな。と、かなりの高い精度で予想可能なのは確か(実際に同じTSMCのN6のRX6500XTが似た傾向を示している、2.8Ghzは盛りすぎだと思うが)
この数値、国外の予想も概ねそうなってるから、自分で計算して再度納得。
つまり、去年末あたりから流れている性能リーク情報は、ガチの可能性が高いということだ。
でもGTX1650相当なら買うやつ居なくねぇ?
ということは・・・A380は75Wの補助電源不要枠であるGTX1650とガチバトルになる運命は不可避。
だが性能は、GTX1650相当~良くて1650Superという噂なんだよな・・・
それじゃ、ぶっちゃけ売れるわけない。
・・・GTX1650を買えば良いだけなので。
いやだって、レイトレ対応の未来のゲームはともかく、過去のゲームは確実にGeforceで最適化されてる。2018年以前に開発したゲームが、インテルグラボを想定しているわけがない(おそらく、これがドライバの出来云々の話に繋がってるのではないか)。
だからと言って、レイトレ対応ゲームが8コアのエントリーモデルで動くのかはけっこうな疑問だ。
したら有利な点は、AV1のデコーダーしかない。でもそれはAlderlakeの内蔵GPU付きCPUを買えば付いてくる。
参考 最強コスパPCを目指し Alder Lake自作用のメモ ~マザボ高ぇ・・・
だいたい、動画再生なんてグラボ買う層にはどうでも良い要素でしかない。
ゲーマーは多コアのパワーで何とかなるクラスのCPUは持ってるはずだからだ(4K環境で最下位GPUを買う選択肢はあり得ないし)。
ちなみに
GTX1650のMSRPは149ドル。
1650SuperのMSRPは160ドル。
仮に性能を高めに見て、1650Superと同等性能だったとしよう。補助電源無しの優位性を含めても189ドルがARC A380の値付け上限ではないだろうか。
具体的には149~189ドルあたりか。てか、ソレ以上なら売れないし、買わないだろう。
だから、もっと性能は高いんじゃないかなぁ、と期待してるわけだが・・・
日本事情に配慮してくるかがカギ(だがたぶんしない)
もう一つの問題、為替。
2022年4月18日現在でドルレートは126円超えており、実際の取引レートを考えたら130円前提も十分ありえる。
この状況で、149~189ドルを日本の小売換算すると、21300~27000円になってしまう。
米国はCPIも上昇している関係もあり、149ドル、いや179ドルでさえ十分お得感があるのかもしれないが・・・
日本には無い。
これはもう、「インテルがどれだけ日本市場を取りにくるか」にかかってると言っても、言い過ぎではないと思う。
しかし、北米MSRP139ドルでさえ日本小売価格が19800円だから・・・これでも買うかは微妙なライン。
さすがに99ドルは無いだろうが、189ドルで26900円・・・では全く売れそうに無いのは確かだ。
2022 1Qに出ててほしかった
ここ1ヶ月で急速に事情が変わりすぎたよ。
もし、エントリーが2万円超えてたら、日本ゲーマーは全員スルーしちゃうかもね。
いやホントに・・・