2021年初頭から爆値上げしまくりのグラボ(グラフィックボード)。
最近NVIDIAが流通量(というかマイニングリグ)積み上がりすぎてヤバイと思い始めたのか、減産するなどという噂すら流れ始めた。
ついに暴落の日は近いのか!?
・・・ということで、どのモデルが暴落しそうなのか? 素人が好き勝手に予想してみる。
情報ソース
(マイニンググラボの稼働枚数)
仮想通貨には興味なしの管理人だが、関連情報(Hiveonプール等)をチラ見していたところ、稼働GPUチップの割合表(統計情報)を発見。
https://hiveos.farm/statistics/
このデータから超アバウトかつ大胆に、以下の4つを予想する。
- マイニング用途に使われているグラボの数
- 中古市場に放出される可能性があるグラボの数
- 暴落するモデル
- 暴落時期
※計算が間違っていたらコメント欄にでも。
NVIDAとAMDはシェア拮抗だが・・・
2021年現在、ディスクリート(後付)GPUのシェアの8割はNVIDAだが、マイニング業界(というよりHiveon)では違うらしい。
NVIDA 55% VS AMD 45%
な模様。
ただし、内訳を見ると、AMDは3代前のRX470世代(RDNA2←RDNA←GCN5VEGA←GCN4Polaris)が未だ50%以上を占めており、廃棄物再利用勢の雰囲気が漂う(おそらく「例のグラボ」とか言われてたヤツ)。
RX470相当のグラボなど、イマドキのゲーマーは既に全員持ってるはず(過去記事参照)であり、これが放出されて5000円になったところで、もはや買う人間などかなり限られるだろう・・・いや、ほぼ居ないはず。
従って、予想はNVIDAに絞った。
Hiveon poolの稼働枚数予測
結論から言えば、Hiveon poolの予想稼働枚数は以下のとおりである。
モデル | 単体 MH/s |
シェア | 最大数 (仮) |
実数 (仮) |
予想 枚数 |
総 MH/s |
---|---|---|---|---|---|---|
RTX 3070 8GB | 62 | 17.82% | 672065 | 119762 | 178200 | 11048400 |
GTX 1660S 6GB | 31 | 13.51% | 1344129 | 181592 | 135100 | 4188100 |
RTX 3060Ti 8GB | 61 | 8.29% | 683082 | 56627 | 82900 | 5056900 |
RTX 3080 10GB | 98 | 6.65% | 425184 | 28275 | 66500 | 6517000 |
P106-100 6GB | 24 | 5.87% | 1736167 | 101913 | 58700 | 1408800 |
https://hiveos.farm/statistics/の統計情報から予測、作成。2021年11月4日現在。
表の補足説明
上位5位のモデルのみ抜粋(合計シェア約52%)。
単体ハッシュレートはグーグルに聞いたら出てきた値(ETHのDagger-Hashimoto)。
シェアは、あくまでHiveon poolのシェア(他も大きくは変わらない・・・ハズ)。
最大数(仮)は、当該グラボと同じハッシュレートを出すグラボが全リグを占めていたと仮定した時に必要となる総枚数。これは、当日のプール全体のETHハッシュ75,760,000MH/s(75.76TH/s)の55%を各GPUのハッシュレートで割った数値である。
実数(仮)は、上記の仮定時に稼働しているであろう、当該グラボの実枚数だ(最大数×シェア)。
ここまでは、明確なエビデンスがあるものの、ここから先は完全に予想である。
ハッシュレートの平均値と総枚数の関係
これも結論から言えば、
平均40MH/sくらいで、100万枚程度稼働中・・・ではないかなと。
その理由だが、RTX 3080 10GB や RTX 3070 8GB クラスのボードが全数を占めるわけが無い(実際に合計で24%弱でしかない)。かといって、GTX 1660S 6GB クラスが全数かと言えばそんなわけもない。
従って、現実のリアル稼働総枚数は 3070クラスが全数のケースと1660Sクラスが全数のケースの間、672065~1344129にある可能性が高い(数学的関数や統計学を駆使すれば正確な数値を出せるのだろうが、管理人にそんな能力は無い)。
これらランキングから感覚的に考えれば、平均値はややGTX 1660S寄りの値ではないだろうか。
仮に40MH/sが全GPUの平均値だと仮定すると、NVIDIA系GPUの全ハッシュレートは41,668,000MH/sだから、総数は約104万枚になる。約100万枚だ。
表にある予想枚数は、この「100万枚」仮定時の稼働枚数になる。
総MH/sは、この100万枚仮定が「現実的な範囲なのか」の試算(ハッシュレート×予想枚数)である・・・結果、上位5位の合計が28,219,200MH/sになった。
台数ベースで上位52%の合計値として考えれば、「総数100万台予想」は、そこまで大きくズレては居ないのではないか・・・あくまで予想に過ぎないが。
※全稼働枚数のエビデンス(URL)をお持ちの方が居ればコメント欄にでもどうぞ(探したけど見つからない)。
マイニング用途に使われているグラボの数 RTX 3070が180万枚
2021年11月現在、イーサリアムの総ハッシュレートは821,000,000MH/s(821TH/s)であり、Hiveonのシェアは10%以下だ。まぁ計算上めんどくさいので10%としよう(どうせ正確な値など出ない)。
したら、RTX 3070はイーサリアムマイニングに178万枚前後使われているという予想が成り立つ。
同じく、GTX 1660Sは135万枚、RTX 3060Tiは82万枚、RTX 3080は66万枚だ・・・
ただし、他のマイニングプールが同じ割合だという根拠は無いので・・・何度も言うけどあくまで予想。
中古市場に放出される可能性があるグラボの数
全グラボの何%がマイニングに使われてるのだろうか?
その比率によって放出の程度は変わるだろう。1%や2%であれば一般人が認識する前にハイエンド層に吸収され、消えるからだ。
この数値を予測するためには
- 個別GPU(特にRTX 3070)の総販売枚数
- GPU全体の出荷数
この2つが解れば良いが・・・
RTX 3070のガチ総枚数をゲーム販売数から予測する
調査を試みてみたものの、けっこうググった割には具体的数値が全く出てこなかったため、検索雑魚の管理人的にはゲームの売れた本数から勝手に予想するしかない。
最近最も売れた(と勝手に思っている)クソ重いPCゲームは、サイバーパンク2077だろうか。一説にはPC版だけで1000万本近く売れたらしい。
このゲーム、フルHD推奨スペックがGTX 1660S、4Kウルトラ推奨スペックがRTX 3070になってる。
全員が4Kウルトラ環境でやろうと思って買っているとは思えないが、LOW 設定環境なのに、わざわざPC版を買うというのも考えにくい(でも、最大2割くらいは居そうだな)。
このことから、少なくともGTX 1660S以上の環境を持ったゲーマーが世界に1000万人弱は居る・・・ハズだと管理人は勝手に思っている。
このうち3070クラスを何人が持っているのか・・・を考える前に、
NVIDIAのグラボ総出荷枚数を予測
したいのだが、これもマジでわからん(誰かソースを知っていたら教えて欲しい)・・・のだけども大まかな予想はできた。
JPR(を引用したインプレス)の記事によると2021年1Qで1000万枚くらい出荷した模様(年4000万枚)。なお売上高は1Qあたり約5000億円なので、妥当っぽい数値だ。
マイニング率3割は超えてる予感
サイバーパンク2077とNVIDIAの売上高から見ても、先程の
「そこそこハイスペック嗜好ゲーマーが世界に1000万人は居る」
という予想は、「まぁそんなもんだろな」と。納得できる範囲のボリューム感。
何度も言うが、あくまで個人の感覚だが・・・アサクリヴァルハラが200万本くらいのボリュームで、あれを全員買うとは思えないし。そんなもんかな。と。
これらを総合的に考えると、RTX 3070クラス以上を所有してるのは2021年現在ガチゲーマー(さっきの1000万)の3割、多くて5割くらいは居るはず。
したら、3070クラス以上は、最低でも500万枚くらいはある計算になる。まぁ実際の体感的にも、1000万枚では多い(だったらハイエンドのPCゲームは、もっと売れてるはず)。200万枚では少なすぎる(アサクリヴァルハラやウォッチドッグス レギオンのPC版を買う層が今更フルHDの30FPSでプレイするとは思えぬ)。
3070と3080の総合計枚数の予測ごとに、マイニング用途のシェアを計算するとこうなる。
- 500万枚(256万ゲーマー+244万マイナー)
約49%(3070と3080だけで)。 - 744万枚(500万ゲーマー+244万マイナー)
約33% - 1000万枚(756万ゲーマー+244万マイナー)
約24%
いや・・・マジで知らんけど。体感でしかないので何とも言えないんだが・・・
この比率で放出されたら、超高確率で価格崩壊する。
暴落するモデル予想 →GTX 1660S
2021年3月の予想と同じく、ライトゲーマーにはGTX 1660Sクラスが狙い目であり、3070クラスはぶっちゃけ要らない。
ライト層で5万以上のグラボを買う人は、かなり限られる。
家庭用ゲーム機(PS5等)を買うからである。
「3070は10万で売れるから元とれますッ」みたいな、謎のマイニングコンサルが跋扈してるが、ゲーマー視点で見たら、そんなワケない。
まぁ、3070クラスなら、サイバーパンク2077を買うレベルのゲーマー層のうち、GTX 1660Sクラス所持者が吸収する可能性も高いが・・・彼らが10万で買うワケがない。ガチゲーマーは基本、情強しか居ないからである。次世代モデルが出た時、大量の補助電源を必要とするグラボは単なる暖房器具になる事を知っているのだ。
10万で売れる(と主張する)のは、ゲーム以外の価値を求める人(マイナー)が居るからだ。しかし、イーサリアムがPoWからPoSに移行した時、彼ら的に10万の価値があるのだろうか?
いや、無いだろう・・・
環境負荷やらSDGSの観点から、グラボ計算競争への風当たりが強くなる事はこのまま行ったら不可避であり、PoS化(グラボ計算競争を辞める仕組み)の早期達成は避けられない雰囲気が漂う2021年秋。
近いうちに、178万枚ものRTX 3070が中古市場に放出される可能性は、かなり高いと思う。そしてその時、GTX 1660Sクラス所持のゲーマーが、マイナーから買い叩くのである。
余ったGTX 1660Sは、ミドルハイエンドゲーマーからと同時に、マイナーからも放出される運命。(同じクラスの2060も)。
少なくとも100万枚単位で放出される。ハズ。
暴落の時期を予想
最後に時期について予想したい。
これは・・・ぶっちゃけ誰にも解らない・・・のだが、謎のNVIDIA減産情報が出始めたことや、FRBのテーパリング動向(利上げしたらETHからドルに戻すのでは?)からも、その日はかなり近いのではないか(おそらく数ヶ月単位)。
ということで・・・決算/納税の関係や、北半球の季節感(外出でゲームの興味減る、気温上昇 など)から・・・
時期は3月頃だ。と、当ブログでは勝手に予想しておく。
※グラボ価格の定期考察シリーズ、次回2021年末編 PS5のスペックからグラボの適正価格を割り出してみた に続く。
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2022春-夏ついにグラボ価格が下落、買い時が来たかもな理由&どれ買うか考えておく